水先案内人 [昔の話し]
波瀾万丈エピソードは 人とは違う視点で自己判断する私と、綺麗ごとではない経験をフェイクも入れて綴っています。(独断と偏見です。)
どうか、ご了承下さいませ。
何年か前の冬の話しです。
その前に私の家庭環境をざっくばらんに話します。父は、飲む、打つ、買う、の三拍子、いわゆる、ダメ親父、今風だと毒父でした。
印象深く思い出すことは、家の電話は、借金取りからかかって来るので、 父が電話線を切っていました。電話する時はクリップみたいなのに挟んでから電話をかけていました。(今、思うと笑える)DVも、度々。 外から帰って来るとお風呂に入った匂い。(大人になると分かる?)
何せ、仕事が続かないので健康保険証はないから、捻挫した時も医者にも行けなかった次第です。
話を戻します。
その父は、母と熟年離婚した後に東京のおばちゃんに面倒を見てもらっていました。(父の実の妹を東京のおばちゃんと呼んでいました。)父の直ぐ下の弟もダメ男で、東京のおばちゃんは二人のダメな兄弟の面倒も見ていました。
時々、母からじじー(父)が熱中症で死にそうになっていたのを隣りの○○さんが見つけて 助かったんだって~
見つけなくて良かったのに~余計なことして~と興奮して話しているのを聞きました。(色々といきさつもありますが、母もあの父と結婚生活ができた程の毒母です。)(客観的に普通の家族の会話ではありません。)
そんなこんなで月日は流れ~
東京のおばちゃんから、父が病院でもう長くはないので子供たちで最後のお別れをしたい人は来なさいと言われましたが、誰も行きません。子供がいたことも今まで、考えないで生きてきた人~入院していた時も子供の名前、全員言えなかった人
(人でなしと思われても行きたくない諸事情が兄弟各々ありました。)
そして何年か前の冬、家の中でそれは起りました。何かが私の目の前にいて、もごもごと喋っています。
私は、ふと、何か違和感を感じ、立ち止まりました。面倒くさそうな感じで、もごもごと小さな声で聞き取れません。
私の三歩前にまろん(旦那)がいて、もごもごが聞こえたのでしょう、 後ろを振り返って目を見開いています。
私は、直ぐに父だと思いました。 声だけ聞こえて、見えません。私の見た感覚だと、ミラーボールみたいに空間が歪んで見えます。
父は子供の事を思いやる人ではないのに 何で私の所に来たのだろう?
アッ...
私の家は知らないはず。
あの世に行く前に自分の子供に最後にお別れを言いなさい~水先案内人みたいな世話人がいて父を連れて来たと思いました。なぜか、確信がありました。 死んだらその後の段取りを考えてくれる人がいると思いました。。
私の思っていることをまろん(旦那)に説明しました。
それから数週間後の土曜日
私はまろんと、父の故郷の実家のお墓に私なりのケジメを付けるために行ってきました。父は実家のご厚意でお墓に入れて貰っていました。
今までの恨みつらみ、母の病的な人柄の責任の一端など、心の内を話しました。
今までの事柄をお互い水に流し、あなたとは来世ではもう二度と関わりたくはない。
ありのままの、正直な気持ちを伝えました。
最後に、ありがとうございました、と締めくくり...
心が解放された気持ちになりました。
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